部屋探しとバイトで疲れていたあたしは、風呂から出たら、すぐに寝ようと思っていた。
話し合いはエイジがいないときにしよう、と考えながら。
だけど、実際に寝たのは、時計の短針が「3」を過ぎた頃。
布団の中に入っても、隣の部屋から聞こえてくる雑音が邪魔をしたからだ。
小声でコソコソ話す2人は次第に、あたしの存在を無視して愛し合っていた。
聞きたくもない音と共に、想像もしたことのない美佳の声が耳に入ってくる。
両手で塞いでいるのに、その雑音はあたしの睡眠を邪魔していた。
2人が眠ってから寝たあたしは、次の日の午後に目が覚めた。
顔を洗いに部屋を出ると、2人はもう出かけていて、家の中は静かだった。
リビングに入ると、布団は敷かれたままで、テーブルの上もビールの缶やお菓子でいっぱいになっている。



