何度も何度もそう言い聞かせているのに、涙は止まるどころか余計に量を増していく。
彼の言葉を素直に受け止められないほど、この想いは再び、大きく膨らんでいた。
こんなところにまでこないと気付けないなんて、馬鹿だよね。
……ううん、本当はずっと前から気付いていた。
この家に置いてほしいと頼んだ日、久しぶりに陽平の顔を見て、ぶり返すような予感はしていたの。
千草にキスをされたと言ったときも、本当はやいてくれるんじゃないかって期待してた。
だけど、あたしたちの関係は相変わらず、ただのいとこでしかない。
陽平の言葉や態度、表情1つ1つに、喜んでいたり、浮かれてしまう。
我に返る度、このままじゃいけないと自分に言い聞かせて、ブレーキをかける。
この数日間、あたしは千草にだけじゃなく、自分にさえ嘘をついていた。