一緒に料理をしたり、朝まで飲み明かしたり、夜中に2人で出かけたり……。
ご飯を誰かと一緒に食べる、ということも嬉しかった。
だけど、そんな生活は美佳が新しい彼氏を作ったことで終わっていく。
朝帰りも多くなり、休日はいつも出かけていた美佳。
独り身のあたしは彼女の代わりに、家の掃除や洗濯を1人ですることも多かった。
そのことを話せば、美佳も「すぐに出て行け」とは言いにくいはず。
「お金が貯まるまで出て行くもんか」
そうつぶやきながらドアを開けるあたしは、美佳の言い分に一歩も引かないつもりでいた。
けれど、その気持ちは一瞬で消えていく。
見たこともない大きなスニーカーが、脱いだままの状態で転がっている。



