「菜穂〜」
「なーに?ゆっちゃん」
「白馬決勝だよ」
「あ、ホントだ」
3年4組と2年1組の決勝戦が今始まろうとしていた
「もちろん応援するよねー?」
「は、はい」
ゆっちゃんの圧力にはかなわないわけで。
ピーーッ
バンッ
ダムダム
キュッ
シュッ スパッ
「「「キャーーーッ」」」
「「「白馬くーん!!!」」」
「……わぁ」
始まってすぐに白馬のスリーが決まった
バスケ部でもないのにフォームも綺麗で
皆が見とれるのも分かる気がした
「で?」
「え?」
ゆ、ゆっちゃん。
主語述語がないと分かりません。
「昼休みはどーだったの?」
「あ、………お弁当一緒に食べた」
「えっ?」
「えっ?!」
なぜかビックリしてこっちを見るゆっちゃん
こっちがビックリしてるんだけど!
「白馬が他人の弁当食べたの?」
「え、うん」
「これは、もう………」
ボソボソと何かを呟いてる
でもどーせ教えてくれないから聞かないんだけどさ
こうしてるうちに
「「「キャーーーッ?!」」」
悲鳴みたいな奇声みたいな声が聞こえた
……………っ!
「白馬?!」
下を見てみると体育館のど真ん中で左足を抱えてうずくまってる白馬の姿
「どうしたんだろう……」
違う意味で心臓の鼓動が速くなる
何があったんだろう………
不安で胸が押しつぶされそうになりながら
状況を把握しようと体育館内を見る
「あれはひどいよね」
「うん、わざとでしょ」
コソコソと話してる隣の子に話しかける
「白馬くんがレイアップしようとしたら着地するポイントで待ってた坂上くんが足をかけたのよ」
「そーそー、で白馬くん着地に失敗しちゃって……」
そーゆーこと。か。
ベンチに下がって応急処置をしてる白馬を見る
「大丈夫かな………」
それから試合は急展開
白馬がいなくなった2年1組は押されまくって
ラスト5分のとき15点あった差が
いつの間にか9点ビハインドになっていた
ピーッ
誰もが3年4組の優勝を確信していたとき
ホイッスルの音が鳴った
そこには、テーピングを巻いて立っている彼の姿が。
ザワザワ
当たり前のように周りがざわつく
「え、……大丈夫なのかな?」
もちろん私だって心配する
あれだけ痛そうに倒れたのに。。
すると白馬は二階の観客席を見ながら
キョロキョロしていて
「…………?」
何事かと思っていたとき、目が合った
っっ!!
そしてニヤッといつものように骨格をあげて
”絶対勝つから”
確かに……口パクだけどそう言ったのが分かった
「うん、絶対勝ってね」
私も笑ってそう言った
この広い体育館の中で
誰も気付いていない二人のやり取り
それが特別なように感じて
またまた試合が急展開していくなか
私のニヤニヤは収まることを知らなかった
そして、見事2年1組は2点差で優勝した__

