白馬に恋しちゃダメなのです!








「な、………あ、白馬」






いつからそこにいたの?

もしかして全部聞いてたの?




聞きたいことはたくさんあるのに緊張して言葉が出ない





「お前まで白馬って呼ぶのか?」



どうやらちゃんと聞こえてたみたいで

怪訝な顔で近づいてくる白馬






「だって………相崎さんが」

「またアイツか」

「……………」






私だってまだ退学したくない



そこをわかって欲しい







「なあ」


座ってる状態だから

上から声が降ってくるのは必然的



落ち着いた……少し低いその声に反応して顔を上げる




「棗って呼べよ」

「…………無理」

「アイツらがこわいからか?」

「………退学したくないから」

「あー、そういうことか」







白馬も理解したようで

でも納得してる顔じゃなかった







いつの間にか奴は私の横にしゃがんで

2人でぼーっとしている体勢になった









「なに……考えてんの?」


「…………分かんない」






「いや、分かるだろ」


「……んー、白馬のこと?」



「嘘つけ」


「ホントだもん」




「じゃぁ俺が何?」


「白馬と関わらなかったら私の高校ライフは安心だもん」



「…………」



「…………」






ホントにそうしたいけど

本人の手前、冗談っぽくそう言った


なのに、急に黙ってしまう白馬




…………?


何を考えてるのか気になって隣りを見ると

さっきまで上げていた顔を下げ俯いていた






「…………白馬?」


「………………」







私の呼びかけに反応しないし

まるで寝ているような感じ





「……はく」

「俺の事………嫌いか?」




”白馬?”


また問いかけようとして声をかけたのと同時に白馬が言葉を発した





嫌い?……ううん、嫌いじゃない

でも好きか?って聞かれると分かんない




「…………ううん、普通」




どっちつかずな答えを出した私はずるいと思う




「………ふっ……、なんだそれ」




私の意図が分かったのか自嘲気味に笑う白馬





ふと………ホントに興味本位で聞いてみた





「白馬は?」


「あ?」



「私のこと………好き?」


「………ぶっ、お前聞き方間違ってるだろ」


え?聞き方……

意味が分かっていない私とは真逆で

さっきまでの雰囲気はどこへやら

白馬が笑い出したのでいつもの2人の空気になった







「なに?……やっぱりお前、俺のこと好きなの?」


クックッと笑いをこらえながら聞いてくる


「は?何言っちゃってんの?自意識過剰野郎」


「あ?自意識過剰なのなお前だろ?」


「私のどこが自意識過剰なのよ!」


「そのサル顔」


「誰がサル顔なのよボケ」


「お前だろ?分かんねぇのかよバカ」


「ばぁかぁ?バカなのはそっち!」



「じゃぁお前……天才じゃん?」


「それバカにしてるでしょ!」


「さぁ?」


「一応私も特進クラスだからぁ!」


「あー、そーだったな」


「次のテスト覚えとけ…バカ白馬」


「は?俺に勝つ奴なんていねーよ」


「言ったな?じゃぁ私が勝ったらパシリなしにしてよね!」


「そんなんでいーの?じゃ俺が勝ったらパシリ追加な?」


「な、それとこれとはっ」


「別じゃねーし」


「~~~っっ」




ぜっったい白馬に勝ってやるんだから!



なんか、こうしてる時間ももったいなくなってきた





「もう帰る!」






そして急いで勉強しなきゃっ





「バイバーイ」


「あ、おい……ちょ」



私は白馬をおいて校舎裏を後にした
















「………関わらない…………か」





だから気付かなかったんだ

白馬が寂しそうな顔でそう呟いたことを