この声は、振り向かなくても分かる
無視。そーだ無視だよ。
「菜穂、呼ばれてるよ?」
「いい」
机に突っ伏してる状態でゆっちゃんと話してたから、向こうからは寝てるように見えると思う
このまま寝たふりしよ
ザワザワ
教室に入ってきたのかな…
周りがざわついてるのが分かる
「…………」
ゆっちゃんも私の気持ちが分かってるのか
話しかけないでいてくれる
スッ
そんな感じで隣に人の気配を感じた
「相田」
「……なに」
棗の声が上から聞こえる
”相田”とゆっちゃんを呼ぶ彼
「コイツ…ほんとに寝てんの?」
「そうみたいね」
「へぇ…………」
うっ、……上からの視線が痛い
「白馬は何で菜穂にかまうの?」
ゆ、ゆっちゃん!
そこを、聞きますか!?
「お前まで白馬って………さぁ、何でだろうな」
疑問系ですか………
「菜穂に気が無いんだったらあまり近づかないでね。この子、他の女とは違うんだから」
……ゆっちゃん
「んなの分かってるよ」
「で、菜穂に何の用?」
「………相田に言うことじゃねー」
「じゃ帰って」
「言われなくても」
何か……嫌悪な雰囲気だなぁ
そんなことを考えてるうちに気配が消えた
彼が居なくなったのなんて見なくてもわかる
女の子の黄色い声が遠ざかっていくから
「菜穂、行ったよ」
………やっぱりゆっちゃん寝たふりって分かってたよね
「うん、ありがと」
「いいのよ」
やっぱりゆっちゃん大好き
いつも毒舌で痛いところを突くけど
しっかりしてるお姉さん的存在で大好き
「このまま……寝ようかな」
「20分後に起こしてあげる」
「ありが………とう」
そんなことを考えてるうちに
いつの間にか眠りについていた

