「…………ってことでさ〜」
次の日
教室に入ってきたゆっちゃんを捕まえ
昨日の出来事を話した
「菜穂……惚れた?」
「ま、まさか!ぜんっぜんだよ!」
「なら……よかったわ」
と言って、ホッとしているゆっちゃん
え、この反応……
でもゆっちゃんには彼氏いるし
……でも聞いてみよー!
「ゆっちゃんって棗のこと好きなの?」
バシッ
いでっ
「なわけないでしよ?ほんとにバカね」
「すみませーん」
毎回思うけどゆっちゃん……痛い
「黒羽がさ、白馬って呼ばれてるのは気付いたよね?」
「あー、うん」
「もうその意味も分かったんじゃない?」
「え?」
棗が白馬って呼ばれてる理由?
そんなの………
「分かんない」
「はぁ……この子は」
そんな残念そうな顔しないで(´・ω・`)
私はバカですから。
「昨日自分のせいで怖い思いをしてしまった菜穂を家まで送り届けて、更にお母さんにまで報告と謝罪したんでしょ?それってすごく紳士的じゃない?」
「……確かに。お母さんも礼儀正しい子って言ってた」
棗の印象ちょっと変わったし
少しはいい奴だって分かった
「他の子にもそーなの。面倒くさくて女なんて興味ないって感じだから近づきにくい存在だけど、いざとなったら頼りになるってゆーか」
ズキ
あ、また……この感じ
「来るもの拒み、去るもの追わずってゆーね笑」
何だろ……胸が締めつけられる感じ
「あ、そうそう。1年の時、黒羽にストーカーしてる子がいてね、彼も面倒くさかったらしく、いろいろ彼女にキツい言葉を言ってたらしいんだ。でも彼女はやめなかったの。そんな日が続いてた時だったかな………彼女が突然倒れて意識を失ったの。それに気づいた黒羽は彼女を抱き抱えて保健室まで運んだらしいの。そこまでは人として普通なんだけど、ただの貧血って分かった後も彼女が起きるまでずっと隣にいたって言ってたかな〜。俺を追っかける暇があるなら勉強しとけって最後には言ったらしいんだけどねwその子、噂によると黒羽からその時もらったジュース、まだ大切に持ってるらしいわよ笑」
「棗……優しいんだね」
「女の子の扱いが慣れてないだけで、ホントはいい奴なんじゃないの?多分」
”ま、私には興味無いけどね〜”
なんて言って、席に戻るゆっちゃん
……………棗
私だけじゃなかったんだね
「………はぁ」
一人になって考えてしまうアイツのこと
ズキ
はっ!
って、何でこんなに考えてるんだ?!
これじゃまるで彼女に嫉妬してるみたいやん!
違う………そう、違うのだ!!
焦っていた私はHRが始まったことにも気付かずに
ずっと頭の中の邪念と戦っていたのだった