キィィィ
ふわぁっ
「うわぁ〜!」
この前来た時とは景色が違う!
ドアを開けた瞬間
風と一緒に暖かいものを感じた
「春だなぁ」
フェンスに寄りかかって校庭を見る
「あっ…………」
ここから裏庭みえる!
今度ゆっちゃんと行こ〜っと♪
ぶわぁっ
「うゎっ!」
突然の風に思わず目を瞑る
パサッ
「ん??」
かすかに聞こえた音に顔を向けると
「…………ノート」
普通に授業とかに使われてる青のノートが落ちていた
「………上から?」
屋上のドアがついてる壁は3mくらい高くなっていて
落ちてきたノートから目線を上に向けると………
「………………足」
こっちに向けられてる二本の足
ズボンが見えるから男子生徒?
少し興味が出て歩み寄ってみた
ノートを手に取ると名前が書いてあった
「2年1組……黒羽棗?」
くろばなつめ…………
2年1組って…………頭いいんだなぁ
それにしても………
「黒羽………棗」
どこかで聞いたことあるような〜
「なに?」
「へ?」
え、いや……”なに?”は私じゃない
声の持ち主を探そうと上を見上げると
「あ、あんた!」
「この前はどーも」
壁ドンしたやつ!
「あなたに用はないんだけど!」
「俺だってねぇよ」
そういうアイツは
肩膝を立てて座っていて
3mの高さから私を見下ろしている
……………くっ
不覚にもその姿にドキッとしてしまった
イケメンは心臓にわるいよ!
「で、なに」
「な、用はないって言ったじゃんっ」
「俺の名前呼んだだろ」
「名前なんか知らないし!」
「は?…………黒羽棗」
くろば………なつめ?
ふと手に持っているノートを見る
「これ、あんたの?」
「お前、漢字読めねーの?」
「なっ、読めるよ!」
「じゃぁ言葉が通じねーの?」
「日本人だし!」
「………………」
「な、なによ」
急に黙った黒羽棗
「お前………」
「…………え?」
「部外者じゃなかったんだな」
「はぁ?」
「この前違う制服着てたし」
「あ、私転校生で!」
「………へぇ。猿だな」
「はぁぁあ?!女の子に向かってそれなくない?!」
「うるせー、黙れ」
「もとはといえばあんたがっ」
「棗」
「………は?」
「名前………アンタじゃないから」
そう言ってアイツ……黒羽棗は
綺麗に私の横に着地して
「覚えとけ……バカ」
それだけつぶやくと
チラッと私を見て
「…………あっ」
ノートを奪い屋上を去っていった
「……………」
残された私はというと……
「な、なんなの………黒羽棗」
ただ呆然とするしかなかった

