軽い気持ちで言ったのかもしれない。 だけど私はその言葉を軽く受け止めることなんて出来なかった。 「…じゃあ、なんで俺がそんなこと言ったのかは分かる?」 「え…」 「分かんねーだろ」 「それは…」 言葉通りの、嫌いだからじゃないの? 私に言わせる? だとしたらなんて残酷。 「自分だって覚えてないんだろ」 だったらおあいこだ。 そう言って夏樹くんは更に強く私を抱きしめた。 どういうこと? 私はどうしても納得がいかなくて、ドンッと突き離した。