「小学校の卒業式の時、私になんて言ったか覚えてる?」 「……あんまり」 「そっか」 やった側は忘れても、やられた側は忘れられない。 よく聞く言葉だけど本当だね。 言った側は忘れてても、言われた側は忘れられない。 「”大嫌いだ”って言ったの」 その言葉が呪縛のように忘れられなくて。 だから目を合わすのも、話しかけるのも、名前を呼ぶことも怖くなった。 ”嫌われてる” その事実が胸に重くのしかかってきたから。 幼い子供というのは時に残酷だ。 言葉の重さを知らないままに口に出してしまう。