だけど予想に反して夏樹くんは拗ねたように小さな声で答えた。 「……前は名前で呼んでただろ」 ”前” それは……聞かずとも、小学校の時のことだろう。 確かに私は夏樹くんって呼んでた。 今も、心の中では呼んでる。 だけど呼ばなくなった。 故意に。 だって………。 「夏樹くんは、どうして私のことが嫌いなの?」 「……は?」 「どうしたら……嫌いじゃなくなるの?」 「なんの話だ?つーか……嫌ってるのは俺じゃない。お前だろ?」 嘘。嘘、嘘、嘘。 だって、夏樹くんがそう言ったんだもん。