「さっきの何?」 「……」 「説明しないなら勝手に解釈するけど」 ギュッと下唇を噛んで黙っていると、不意に腕が引っ張られた。 そのせいで身体がぐらつく。 「きゃ……っ」 後頭部に来るであろう痛みに向けて強く目を瞑った。 …けれど痛みは来なくて。 「……俺のこと、好きなの?」 私の後頭部がぶつかったのは地面ではなく、夏樹くんの胸だった。 左手は捕らえられたまま、反対の空いてる腕で抱きしめられた。 背中が熱い。 ……絶対今の私40℃はある。