夏樹くんが押されてるなんて珍しいこともあるもんだなーと、への字になった顔を見て思った。
小学校の時は誰も逆らう人なんていなかったから、初めて見るかもしれない。
暴君でジャイアンだったけど、見た目の良さとたまに見せるに優しさに男子からも女子からも人気だった。
…私も本当はちょっと憧れてた。
ただ、それよりも上回る怖さはあったけど。
「で、なんでついてきたの?」
腰に手を当ててズイっと身を乗り出す木下さんには怖いものがあるのだろうか。
感心してしまう。
「違う」
「じゃあなんでここにいたの?」
「だから…」
「通りかかったはなし。ありえない」
「事実だ」
二人とも強情らしい。
話がまとまらない中、先に諦めたのは意外にも木下さんだった。
