「雨だと髪うねるよね」 「ほんと。早く梅雨明けてくれないかな」 「もう少しの辛抱だね」 たわいない話をしながら玄関から出ると、反対から出てきた人とぶつかってしまった。 「ごめんなさい!」 …前を見ずに話してたからだ。 ぶつかった鼻を抑えながら相手の顔を見ると、目の前にいたのは不機嫌そうな顔を隠しもしない夏樹くんだった。