呆然…とはしなかった。

私はすぐに紙へと視線を移しまさかと思い自分の名を探す。

そして彼と同じ枠に私の名前はーーー無かった。


そう、さすがにそんな少女漫画のような出来事にはならなかったのだ。


それが私の唯一の安定剤だったとも言えよう。

隣のクラスではあるが、同じクラスではない。
同じクラスではないことは非常に私の中では大きなことであった。


良かった。これで突っかかってこられることも無いし、もう小学生の時に言われたあの言葉を聞くことも無い。

まさか高校生にもなってわざわざ隣のクラスまで文句を言いにはこないだろう。

なんて、私はそんなことを考えていた。

そう、浅ましくも、そんなことを考えていたのだ。