すると背中を向けて歩き出してしまった。
「…ついて来て」
声も、いつものような気怠そうな声じゃなくて。
それが凄く悲しくて。
私の心臓は嫌な音を凄い早さで立てていた。
それからしばらく気まずいまま歩いてくと、理科室の前で止まった。
ここは教室から少し離れたところにあって、理科の授業以外で使われることは滅多にない。
私と話してるとこ、見られたくないもんね。
そう気付いてしまったら余計に気まずくて、もう夏樹くんの顔を見ることまで出来なくなってしまった。
するとスッと傘が突き出された。
「返す」
「あ…うん」
夏樹くんがどんな顔をしてるかわからないけれど、私は早くここから抜け出したくて。
傘をぎゅっと両手で握った。
