一見、面倒臭がりでルーズにも見える彼は本当は凄く律儀で。
それもモテる要因の一因だったと思う。
「…うるせー」
”可愛い傘を持ってる”と言うのが恥ずかしかったのだろうか。
ぶっきらぼうに答えた。
私から借りた傘なんて知られたくないかもしれない。
そんなネガティブな思考が働き出して、夏樹くんが話すまで私はジッと待った。
案の定彼は知られたく無かったようで。
「…じゃーな」
赤地くんの質問には答えないまま、自分の教室へと入ってしまった。
余計なこと言わなくて良かった。
また嫌われるとこだった。
そう思うのに、それでもツキツキと痛む心臓はなんなんだろう。
