そう言えば天野さんは何にするんだろう、と思った時。

階段を上って曲がり角。
下から上ってくる夏樹くんを見てしまった。

否、目が合ってしまった。

急いで視線を外す。

わ。見てたって思われちゃったかな。
やだな。気持ち悪いって思われたらどうしよう!

…って。
そんなわけないか。

きっと何も思わないだろうな。

「天野さんは何にするの?」


これ以上考えたくなくて、思考を切り替える。


「図書」

「え…意外だあ」

「そう?楽だし、本読むのは割と好きだから」


またしてもギャップ。

図書かあ。
あんまり本は読まないな…。
漫画も読まないし。

今度読んでみようかな。