私は、やめてほしかった。だから、あがいた、叫んだ。でも、あの人には、通じなかった。



あれは私が、五歳の時だった。あの頃の事は、良く覚えたてないが、あの日の事なら、覚えている。
私は、いつものように、近所のお兄さん、海翔の家へ行った。海翔のお母さんは、お出かけしていた。
(でも、海翔は、いるかな?)
「海翔ー!遊ぼうよー!」ってあれ?居ないのかな?
私は、自分の家で遊ぼうと思った。
「・・・おい。俺は、いるぞ?」
「海翔ー。遊ぶよ!」
「あぁ。二階に、来いよ?」
「うん。待ってて。」・・・でも、二階は、寝室だけだった気がする。かくれんぼかな?
「海翔ー。来たよ?」
「今日は何する?あ、かくれんぼかな?」
ドサッ。
え?私の後ろ壁じゃなくて床?
「か、海翔?」
「優しくしてあげるから。」
「やだ、海翔。やめて!」
「うっせさいな。黙れよ。」
海翔は、私の口に、ハンカチを当てた。
その後すぐ、記憶はとんでしまった。