目が覚めた。

時計を見たら今は十一時、しばらく寝てしまっていたのだろう、それとも今までのは悪い夢だったのか。

悪い夢であったことを願いたい。


「弥生? 起きたのか?」


声がした。

海斗の声だ。

あぁ、ここは保健室だ、やっぱり夢じゃなかったんだ。

「大丈夫か?」

目の前の海斗はそう言った。

周りに数人の男子もいる、海斗の友達だろう。

こんなにも大勢に見られてとても恥ずかしい。

「ねぇ、今どうなってるの? あの女の子は?」

結果はわかっていた、だけど聞くことしか出来なかった。

「死んだよ。それと、周りの友達も。あいついいやつだったからさ、みんなが友達どおしを『鬼』だと勘違いしたんだ。まだ誰も生き返ってないから鬼は生きてるよ」

わかってるよ、『鬼』が生きていることぐらい、だって私だもん、私のせいなんだ、私のせいでそんなにいっぱい死んだんだ。