「分かるよ、全部ね」


なんで?

意味わかんない。


「で、どうする? 『鬼』、やる? やらない?」


そう言って手を差し出していた。

怖かった。

でも、このまま終わるぐらいなら……


「みーちゃんに後悔させたい!」


そう私は叫んで少年の手を握った。

心のどこかで最後に自分が死ねばいいとでも思ってしまったのかもしれない。

少年は笑って言った。

「よし! 契約は成立だ。ゲームは明日から始まるよ、合図は今みたいに手を握って『頑張って』って言うんだ」

契約してしまった。

もう後悔しても遅い。

やるしかないんだ。

気がついたら少年は消えていた。

本当に明日から始まるんだろうか?

分からない。



帰ろう。