「でもさ」

私の抵抗の意志を少年は簡単に踏みにじった。


「君の心の中ではみんなを殺してやりたいと思っているのだろう。だってさ、幼馴染みの……海斗だっけ? に話しかけられたときも信じてやれなかっただろ? 疑ってばかりだった。いわゆる人間不信だ。ふふ、人間とは面白いね。ただそれしきのことで人間が怖くなってしまうなんて」


違う


「信じられない怖い人間は自分の前から居なくなってしまえばいい、そう思っているのだろう」


違う


「もう誰も信じられない、友達も先生も家族も!」


チガウ




「美月なんて居なくなってしまえばいい」





「違う違う違う違う! そんなんじゃない、そんなこと思っていない。だいたい何なのよ、あんたに何がわかるのよ!」

気がついたら私は大声で叫んでいた。

目からは暑い何かが流れていた。

辛かった。

自分を見透かされたみたいで。

前を向いたら少年が笑っていた、そしてこう言った。