「……いいよ、私一人で帰るし。海斗は友達と帰って」

「もう皆には帰ってもらったから無理だよ」

海斗はふてくされたようにそう言った。

「なんで?」

「あ?」

「なんで? 私と一緒にいたら迷惑でしょ? 海斗はそんなにも人気者なんだから」

「んだよ、どういうことだよ」

そう言った海斗は少し怒っているように見えた。

「いいから来い」

そして私は海斗に引きずられるようにファミレスに入っていった。

海斗が何かを注文した、私はしばらくぼうっとしてた。

「お前、うまくクラスに馴染めてないらしいじゃん」

海斗は二組、私は五組だから知らないのは当然である。

なんでこんな事聞くのだろう、なんで知っているのだろう。

「海斗には関係ないじゃん」

なんでこんな事言ってしまうのだろう。

私を気にかけてくれているというのに。