幻想館ーシンデレラ編ー

あの時の私。


とてもツラく悲しい時期を過ごした。



シンデレラはどんなに意地悪されても、所詮は血の繋がりのない他人から



でも・・・でも私は違う。



肉親から拒絶された


お母さま・・・私はあなたから産まれたのよ!



そう叫んでもプライドの高い母は、何も聞いてくれない。



私はイジメられる格好の標的。




強くならなきゃ!



用心深く人を観察し私はこの状況から、いつか抜け出してみせる


そう毎日、思い続ける事で私は強くなって行った。




やがて二人の姉達も年頃の娘になった。


おしゃれにも特に関心を示し、以前にも増して衣装部屋はかなりの量の服が散乱していた。



それを片付けるのは私。



彼女達が出かけた後部屋に入る。



相変わらず、だらしない。



センスのない服・・・。


どの服を見てもそう思える。



物欲は果てしない。



勿論、私にもそれはある。



シンデレラよりももっとドロドロとした感情の波が押し寄せていた。



ても、それを表には出さない。



私はそういう少女だった。




やがて、運命を変える出来事が・・・・・・。