「瑠璃さん・・・瑠璃さん!」



ハッとして目が覚めた。



私は大きな鏡の前で座っていた。



ここは・・・?



「そろそろ、お支度にかかります」


そう言われて、ゆっくりと周りを見渡した。



純白のウェディングドレス。



ここは新婦の控え室

結婚式



そうだわ!


やっと手に入れた幸せ



今日は私の華やかな舞台の幕が上がる日


私がシンデレラに変わる特別な日。



純白のウェディングドレスを身につけ、ダイヤモンドを散りばめたティアラを頭にのせた。



「お綺麗ですわ」


飛び交う言葉は絶賛の誉め言葉。



ドアが開かれた。


私の社交界への第一歩が始まりを告げた


父親にエスコートされチャペルの中へ




憧れのこの瞬間。



愛する人への様々な誓い。


そして誓いのキス。


式は終わり、次は盛大な披露パーティーが始まった。


そう、私は美しさを武器にのし上がってきた。


夫となる人は、代々受け継がれている高級ホテルのオーナー

そして不動産、レジャーランドなども手掛けている。


知り合ったきっかけは、モデルの仕事をしていた時だった。


夫のホテルで著名人の集まるパーティーが開かれた。


その頃の私はトップモデルで各メディアに顔を出さない日はないほどの売れっ子だった。


スケジュールの忙しい合間をぬっての出席。


殆ど社交辞令だけで終わりそうな感じで私は会場から出て、夜景を眺めていた。


そこへやはり息抜きのように出て来た男性。

彼は私に一目惚れ。


まるで赤い糸に引っ張られるように、事が進んでいった。