「でね、その俳優さんがー…あっ」






屋上から真広と階段を降りてる時、
前から恋とその男友達が歩いてきた。





恋は私と目が合うと微笑み
その横にいる真広に視線をスライドした








…あれ?恋が目の前にいるのに
全然ドキドキしない。。






「久しぶり、美優。最近連絡無いなと
 思ったら彼氏できたの?」





「あ、いや、友達」





私の発言にふーんと呟き、
恋はまた真広を見上げる。




真広も無表情で恋を見下ろしていた。











そしたら恋が余裕あり気に口を開く。





「あれ?転入生の赤梨って奴だよね?
 うちの幼なじみが世話になって
 ごめんね!でも今日から俺がこいつと
 一緒にいるから、もう大丈夫…」









ちゅっ






恋が話し終える前に真広が
私にキスしてきた。






突然の事にわたしはされるがままに
動けなくなって、恋もびっくりして
口をあけている。




全てがスローモーションのように
見えて、だけどすぐに恋の怒鳴り声で
我に返った。






「ちょ!!てめー俺の美優に!!!」








真広は私から唇を離して
不敵な笑みを浮かべる。



「俺の?ごめんけど、
 美優は俺のものだよ」








真広はそのまま私の手を引いて
階段を駆け下りた。










「なあ、恋。今の誰?」




「知らねーよ。
 俺から美優奪った泥棒って
 ところじゃねーの?」