「樹里さぁ、あたしに何か話すことあるでしょ??それとも何も言わないつもり??」



放課後の誰もいない図書室に実夕の声が響く。



「えっ…?」



あたしの視線と重なる実夕の冷たい視線。



「信じてたのに…。樹里を信じてたのにさ……どうしてよ…どうしてっ。ちゃんと話してよ……言わないなんて……ひどいって」



あたしを睨むようにして、声を荒げる実夕。



高まる声のトーン。



それはいつもの可愛いらしい声の実夕ではなくて、



あたしの知らない実夕の表情がそこにはあった。



「……ゴメン…あたし、実夕になんかした?」



実夕は横目であたしを睨み付ける。



あたしの言葉は実夕を更にイライラさせてしまったのか、



「分かってるくせに!なんでよ?なんで…。なんで?樹里だって、あたしが潤を好きなのを知ってるよね?応援するって言ってたじゃん!!なのに、なのに……!!」



実夕は更に声を荒げて叫んだ。