「樹里、放課後ちょっと話があるんだけど…」



次の日、実夕にそう言われ、



「うん。分かった」



とりあえず、そう返事はしたけれど、



なんだか変な実夕の様子に嫌な予感がしたあたし。



今日の実夕は明らかにあたしを避けているようだった。



朝の通学路を一緒に歩いていても、



ほとんど実夕は何もしゃべらなかった。



いつもと違う……。



そのよそよそしい態度は、



実夕の機嫌の悪さを物語っているようだった。



あたしを見る実夕の視線。



それは何故だか少し冷たい感じがした。



でも、あたしはそれに気づかないかのようにして、



放課後まで自然にいつもと変わらない態度でいた。