「俺、ずっと気になってた…いつも下田の横にいる大塚のこと…。気がつくと大塚を見てた」



それは矢口潤の気持ち??



どういう意味??



「好きなんだ……俺……大塚が好きなんだ」



好き?????



矢口潤の言葉にあたしはますます固まって動けなくなる。



どう答えればいいのか分からないままのあたし。



あたしはそのまま何も言葉が出ず、



黙ったまま立ちすくむ。



「大塚は……、大塚はどうなんだ…?」



聞かないで……。



あたしの気持ち。



そんなこと聞かれたら……言ってしまうよ。



言ってしまったら、あたしはその瞬間から実夕を裏切ることになる。



あたしはきつく唇を閉じたまま、



それでも何も答えられなかった。



雨音だけが聞こえる中、矢口潤がささやく。



「俺はお前が好きだ…」



これは夢??



現実なの??



「すげぇ好きだから……」



夢なら覚めないでほしい………。



もう少しだけこのまま夢を見させて。