「ちょ…っ…ちょっ…と…矢口??」



え?????



いつの間にか、矢口潤の腕の中にいたあたし。



「黙って…お願い…もう少しだけこうさせて…」



あまりにも突然のことであたしの思考回路は追いつかない。



どうして??



どうしてあたしを抱きしめるの??



どうして??



どうしてあたしは抱きしめられてるの??



やむことを知らないかのように降り注ぐ雨の中。



雨はそんな二人を濡らしていくのに、



それでも何故か全然あたしの身体は冷たくなくて、



ずぶ濡れなのに、



どこか温かくて、何故だかとても心地いい。



心の中まで、心の芯まで熱くなるような、



すごく幸せな気持ちになれる場所にあたしはいた。



だって、ここはあたしの大好きな人の腕の中。