すると、彼は

「わかったよ。そんなに疑うんだったらしょうがない。
 やってやるよ。」

彼が、目をつぶったと思うと


彼が、出てきたときに落としたバッグが宙に浮いていた。


「えええええええええええ!」

 
なになに?何これっ!


「これで分かったか?」


もう、信じるしかないよね!?


私は、小さくうなずいた。


「でもさぁ~ お前さ、毎日お参り来てるくせに
 疑うとかないだろ~」




「だって!現実に出てこられるとさすがにねえ」




「まあ、いきなり出てきたら困るかもな…」



「それより!出てきた理由を教えてよ」


「ああ、そっか

 お前、何回ここにお参りに来たかわかるか?」


「そ、そんなの分かるわけないじゃない」


分かるわけないよ…ってか、数えてる人いるの?


「ん~と、お前はここに来てちょうど800日になる。」
 

「だから?」


「1000日経つとお前が最後に願ったことが叶うんだ。」


「えっ!そうなの!毎日ここに来ててよかった~」


何お願いしようかな~ って考えてると彼は言った。


「そんな気楽に考えるな。
 
 
 これは、お前の人生に関わることでもある。


 甘く見てると後悔するぞ。」


と、険しい顔で言った。


初めて怒られた感じでドキッとした


「ご、ごめん…」




「あ、あぁ。こっちもきつく言い過ぎた。


 でも、そのぐらい大切なんだ。」


彼は、少し切ない顔で言ったのだ。


なぜか、私まで少し悲しくなっちゃったじゃない。


そんな彼がかわいそうに見えちゃって、少し明るい声で



「ねえ、あなたの名前は?」


「そんなのない。
 
 俺は、神様だからな。」



「でも、いちいち神様って言ってると面倒なんだよね。


 だから、名前つけてあげるよ。」



「お前…それって結構失礼なことだぞ。


 しかも、タメ口だし…」



「いいじゃない 別に。


 それに、どうせ同じくらいの歳でしょ?」


「ば、バカか お前

 俺はお前の倍は生きてるぞ。」


「え、ええええ!

 じゃあ、おじいさんってこと?」



「バカ‼ こっちの世界のほうではピチピチの青年だ!

 それで、神様なんてすごいことなんだぞ!」


「てか、思ったんだけど…

 神様って生きてるっていえるの?」


「まあな、幽霊とは違うんだよ。」



「ふ~ん」


神様って案外複雑なのかもしれない…



「あっ!そうだ名前」


「いいよ。ほんとに

 罰当たるぞ。」


「平気さ~」
 

「はあ~」



別にため息つこうが何だろうがいいもんね~



「ん~…鈴…すず!
 
 すずは?どう?」


だめでも、呼ぶもんね~


「分かったよ。

 勝手に呼んでろ。」


「やったああああああ」


後ろでため息が聞こえたのは、聞かなかったことにしよう。