真っ暗闇に落ちる中、やがて薄らと小さな明かりが視界に入り込んでくる。
牢獄内に取り付けられたランタンの灯りだ。
視界が段々と定まってくる。
目の前に張り巡らされる錆びついた何本もの鉄の棒。
牢屋の鉄格子だ。
この中に、人間カードとなった者が閉じ込められている。
自分の両隣は冷たい壁。
後ろには、石のタイルで作られた道が真っ直ぐあって、どこまで続いているかもわからないような闇が広がっている。
俺は鉄格子の向こう側を覗きこんだ。
牢屋はそんなに広いわけじゃないが、まだ暗闇に目が慣れていないせいかリクの姿がどこに居るのかわからない
「リク!」
呼びかけてみたが返事がなく、ただ俺の声が牢屋内に響き渡った。
寝ているのか?
耳を澄ましてみるが、リクの息遣いすら聞こえてこない。
俺は鉄格子の扉の部分に触り、喉の奥からこう発した。
「プリズン・アウト!」
ガチャリと鍵が外れる音が鳴り、扉がイビツな音を立てて開く。
俺は牢屋の中に入った。
