息が荒くなり、頭の中を誰かにかき回されているような感覚だった。
封筒の中からは、強烈な悪意の固まりが伝わってきた。
取り出してみると、中には1枚の人間カードが入っていた……。
白紙じゃない……。
住所、年齢、電話番号など様々な情報が記載された人間カードは既に使用されているものだった。
カードの中央に表示されている写真と上の部分に書かれた名前を見て、俺は自分の目を疑った。
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佐久間リク
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リク?
リクはやっぱり人間カードにされていた。
なんだ? これ?
見た事もないものがリクの人間カードに表示されている。
カードの端と端を対角線で結ぶ真っ赤な線。
そのカードには、ペンキで塗ったかのように赤色で大きく×印がついていた。
闇サイトを巡っていた俺でも聞いたこともないようなその印に、震えは止まり妙な胸騒ぎがした。
俺は机の上に置いておいたプリズンアクセスリーダーを乱暴に手に取った。
