『空室』
スイートルームのパネルは電気が点灯していて、選べるようになっていた。
「なんで……? なんで……?」
自分でも想像もしていなかった状況にただ愕然とする。
俺は震えながらも手を伸ばして、スイートルームのパネルを押した。
パネルが消灯して、中央の画面にはこの部屋にしますかと確認が表示される。
リクのやつ、取る部屋を間違えたのか?
そんなはずはない。
だって、この部屋だって何度も3人で確認したはずじゃないか。
「お客様、お一人でよろしいでしょうか?」
すると、顔が見えないようになっている受付から店員が声をかけてきた。
「え……」
一瞬、言葉に詰まるが俺はすぐに口を開いた。
「この部屋、空いてますか?」
エスペラントの店員は一瞬、受付から外れて何かを確認している。
そして、すぐに戻ってきた。
「はい……そちらの部屋は現在空室になっていますが……」
リクが取る部屋を間違えたか、それとも既に3人は出ているかのどちらか。
くそっ!
くそっ!
くそっ!
拳を握り締めると同時に、頭の中は真っ白に近い状態になっていた。
