そうだ。
よく考えろ。
今、自分が考えられる限界まで考えるんだ。
もう一度、リクに電話をかけるか?
それともユウカにかけた方がいいか?
違う!
もっと別の事を考えるんだ。
初めてと言ってもいいほど苦しくなった呼吸を整え、今あった事の状況をもう一度頭の中で整理した。
刃物男がリクに言ったのは「イヤホンを取ってもらえるかな?」という事。
つまり、何かやましい事をやっていると疑われた事には間違いないが、刃物男に電話を取り上げられて通話が切断されたわけじゃない。
そうなると、答えは一つだ。
通話はリクが自分で切った可能性が高い。
疑われた事により動揺したのか、もしくは通話がバレないように早い段階で切る事を決断したかのどちらかだろう。
何れにせよ、まだ万が一の状態にまでは辿り着いていない。
大丈夫だ。
リクを信じるんだ。
アイツなら絶対にやってくれるはずだ。
時計を見ると、16時14分だった。
