このラブホテルはネットで空室情報の確認ができるようになっている。
つい15分ほど前に見た時は空いていたから、連日と同じようにこの時間帯は空いているはずだ。
『どの部屋にしますか?』
と刃物男の声。
おそらく入ったところすぐに設置してある部屋の写真が並んだパネルを見ているんだろう。
俺は緊張しながら次の言葉を待った。
『このスイートルームにしましょう』
リクの声と同時に、何度か聞いたパネルのボタンを押す音も聞こえてくる。
俺は大きく息を吐いた。
よかった……。
空いてたか……。
『いいんですか? そんな高い部屋を』
『いいんっす。いいんっす。うちは需要が高いんで』
このラブホテルは予約ができないから、正直なところこの部屋の確保が作戦で一番不安だった部分ではあるんだ。
それに予約ができたとしても、予め用意した部屋だと向こうが警戒心を抱く可能性がは高いからな。
あくまでも自然な流れで進むことが一番いい。
部屋の確保ができたのは大きな成果だ。
三人の足音が聞こえ、エレベーターの扉が開く音が聞こえてくる。
イヤホンの向こうは、街の喧騒が消えて静寂に満たされている。
ここからが正念場だ。
