『わかりました。ではそこに行きましょう。ホテル代はどちらが持ちましょうか?』
三人が道沿いに歩いていく。
ここからホテルまでは歩いて5、6分ほど。
予め決めた作戦内容では、俺はこの喫茶店で待機している事になっている。
その5、6分が妙に嫌な感じがした。
何かあった時に対応できるのか?
この店を出て、やっぱり二人の後をついていくべきか?
何を焦っているんだ。俺は!
この喫茶店で待機する理由は、交番が近いからだろう。
万が一、二人に何かあった時は人間カードの存在が明るみになる危険性があったとしても誰かに頼る必要がある。
交番に近い方が良い。
落ち着け。
いつの間にか額からはだらだらと汗が垂れてきていた。
シャツの袖で拭いながら窓の向こうの景色を見ると、3人の姿はもう見えない位置まで来ていた。
俺はイヤホンから聞こえてくる声に集中した。
『ホテル代は俺が出しますよ。初めてなものでちょっとお金に余裕を持ってきたんです』
リクの軽快な口調は相手に警戒心を抱かせないはず。
わかってはいるはずなのに、心臓の鼓動が細かく波を打ち始めた。
