待ち合わせ時刻までは、これまで過ごしたどんな時間よりも長く感じた。
皮膚の表面を覆うような気持ち悪い汗。
緊張しているせいか喉が異常に渇く。
心臓の音は一定では無く、時折早くなって落ち着くためにも胸の皮膚を掴んだりした。
心なしか下半身が重たく感じる。
それでも時間だけは刻々と進み、三人で電車を乗り継いで、新宿の歌舞伎町まで移動した。
待ち合わせ場所であるデストピアの向かいに建つビルの2階の喫茶店に入る。
ここも予め調べておいた場所だ。
この店の窓際からは、向かい側のデストピアがよく見える。
腕時計を見ると、時刻は15時半と表示されていた。
あと30分ほど……。
待ち合わせの際、目印を決めておいた。
刃物男はグレーのスーツに茶色のネクタイ。
それから緑のアタッシュケースを持っているらしい。
こちらは、男が赤い帽子で、女は白のニットのセーター。
歌舞伎町は人通りが多いが、これだけはっきりした目印を決めておけばまず間違いはないだろう。
隣を見ると、ユウカはぼんやりとした顔をして、さすがのリクもここにきて緊張している様子だった。
「リク」
俺の呼び掛けに、リクが体をびくっとさせてからこっちを見てくる。
