人間カード




俺は、刃物男に対して必死に謝り続ける。


そのカードは俺の父親なんだと。


自分の父親を取り返すために、ここまで来たんだと。


金ならいくらでも払うと言って、相手にしがみつくぐらいがちょうどいい。


そんなやり取りをすれば刃物男は激怒しながらも、ある一つの考えが頭を過るだろう。


人間カードを常にやり取りしている者ならば、必ずと言ってもいいほど気がつくはず。


いや……むしろ刃物男は元々知っているかもしれない。


トレードの際に、材料となる人間カードを持って来なければ、それが相手にとって弱味となることを。


当然だろう。


交渉できると嘘をついて持って来なかったんだ。


これは間違いなく弱味になる。


そうなれば、白紙の人間カードを取り出して考えるはずだ。


俺を人間カードに閉じ込めようと。


そこまでが俺の仕事だ。


なるべく初心者を装いながら相手に弱味を見せて、俺を人間カードに閉じ込めさせる。


そう……。


実は、退室したはずのユウカがその光景を見ているとも知らずにな。