人間カード




刃物男との待ち合わせは16時ちょうど。


場所は、新宿歌舞伎町の【デストピア】という喫茶店の前だ。


まず、俺とユウカで刃物男に接触。


そこからは、予め調べておいた【エスペラント】というラブホテルに移動する。


部屋は一番金額の高いスイートルーム。


この数日間で何度か見に行ったが、必ずと言ってもいいほど16時頃このスイートルームは空いていた。


ここから危険度はかなり増すことになる。


入室後、ユウカは取引から外れてもらうために部屋から出ていく。


メールでも書いていたし、これは刃物男も了承するだろう。


大事なのはここからだ。


二人っきりになり、いざ取引を始める際には、先に目的の人間カードを相手に出させて目で確認させてもらう。


相手が、ユウカの父親を持っている保証はないからだ。


これも、了承してくれる可能性は高いだろう。


何故なら、オークションで手に入れたカードは横流ししている可能性が高い。


対してこちらは特定の人物ではなくて、20代の女性という抽象的なものだ。


だからこそ、刃物男はそれを理解して先に見せてくるはず。


それが確認できた直後からが勝負の始まりだ。


ここから向こうにとっては予想外な行動となる。


俺は……。



「交渉材料となる人間カードを持って来なかった」と相手に告げる。



刃物男は当然ながら激昂するだろう。