俺は、調査した女たちのデータが書かれたファイルをゴミ箱にぶち込んだ。


ファイルを使うのは辞めにしよう。


この白紙の人間カードは、刃物男を閉じ込めるために使う。


ユウカのおやじさんを奪った後に、刃物男は解放してやればいい。


向こうはこっちを人間カードにしようと確実に企んでいるはずだ。


女性を連れて来てほしいと言う提案は、もしかしたらリスクを冒して女性のカードが手に入らないなど空振りを防ぐためなのかもしれない。


こっちがまともに人間カードを用意して行っても、向こうから仕掛けられて痛い目を見るだけだ。


刃物男の経験値は高いだろう。


でも、俺が恐れているのは情報量の少なさだ。


人間カードのホームページは、一つ一つ新しい項目を閲覧する度にお金が発生する。


項目は全部で100以上。


俺が確認したコンテンツは僅か3つと、本当に最低限しか確認していないんだ。


その3つでさえ信じられないほどの金額がかかった。


おそらく刃物男は、俺が見ている項目の量より遥かに閲覧しているはず。


だからこそ、少ない情報量で向こうを倒す方法を考えなければいけないんだ。


まともに取引はしない。


相手を倒す方法を、、、。


閉じ込める方法を……。







それから刃物男とは、待ち合わせ場所などの詳細など決めて連絡を止めた。


特に問題は無く、やり取りはスムーズに終わったと言える。


人間カード。


この1枚のカードで人生を壊してしまう。


取引当日までは眠れない夜を過ごした。