「私の為に……そんな危険なことに巻き込めないよ」
袖で強引に涙を拭いながら、ユウカはゆっくりと顔を上げる。
俺はリクに視線を向けた。
期待通り、リクは目を真っ赤にしながら覚悟を決めた表情をしている。
「おい、ユウカ! 今更、そんなの気にする間柄でもねえだろ。俺も手伝うぜ。おやじさん探すの!」
「何、言ってるの! 私のお父さんの為に二人を危険な目には合わせられないよ!」
「大丈夫だって! 俺たちで力を合わせれば乗り越えられるだろ!」
そうだ……。これはユウカの父親のためじゃない。
ユウカの為なんだ……。
大丈夫……。
俺はどんな困難な事を目の前にしても、まるでパズルを解くように乗り越えてきた。
今度の事だって、自分がシュミレーションした通りに物事を運べば、きっと上手くいくはずだ。
ユウカの為……?
本当は違うのかもしれない。
未知なる物を目の前にして、自分の力がどれくらい通用するのか試したいだけなのか?
「なあ。マモル!」
リクは俺の肩を掴んで、表情を輝かさせてそう言った。
「ああ……」
俺、一人じゃない。
リクとユウカが居る。
どっちにしろこうなれば、もうリクは止まらないだろう。
俺がやっぱり降りても、自分一人で勝手に進めるはず。
二人に話した時点で、もう後戻りはできないんだ。
俺はリクの言葉に深く頷いてから口を開いた。
「ああ。心配するな。ユウカ。きっとおやじさんは助け出す」
それからしばらくユウカは反対し続けたが、結局、俺とリクの強引さに負けて最後には納得してくれた。
