女教師の背後まで一気に近寄り、声をかける。
「あ、あの!」
上擦った俺の声はいつもより大きく、女教師は驚いたのか肩を僅かにビクンっとさせた。
振り向くと、すぐに化物を見たかのような表情をさせた。
「あ、あの」
緊張のせいか、また同じ言葉を繰り返す。
「あなたは……」
女教師は悲鳴をあげることなく、ただ人を疑うような目で俺を見てきた。
あの時と同じ瞳だ。
俺を捕まえた時と。
「なんですか?」
次に、女教師は少し強気な態度でそう言い放った。
「私に何か用ですか? まさか後をつけてきたんですか? 警察を呼びますよ」
女教師は、バッグから携帯を取り出した。
訝しい表情を浮かべ続けるその瞳は、俺を人間だとは思っていない。
「お、俺は……」
懐に忍び込ませた写真を俺は強く握り締めて取り出すと、乱暴に突きつけた。
