人間カード




女教師は、いつもと同じ道を辿っていく。


これがこれからも続くと思ってるんだろうな。


残念ながら、今日で終わりだ。


その後は駅に到着して、電車に乗り、女教師が住む最寄りの駅へ。


電車に揺られているおよそ20分間、俺は息を殺しながら女教師を凝視していた。


女教師は相変わらずスマホをいじっていて、俺の存在にすら気がつかない。


この電車で、俺の人生は潰されたんだ。


真面目に生きていた俺の人生を台無しにしやがって。


それにしても、けしからん乳だな。


ブラウスの中に隠された膨らみは、思わず唾を飲み込むほど立派なもんだ。


あの膨らみを、この手の平で握り潰してやるよ。


最寄りの駅に到着すると、俺は女教師の後を追い続けた。


見失うことはありえない。


これまでに何度も同じ行動を繰り返したんだ。


もうすぐだ。


もうすぐ、予定の場所に辿り着く。


陽は陰り、町全体を夜が包み込んでいた。


人が悪さをするのは、大抵は夜だ。


何故なら、人に見つかりにくいから。


この夜空の麓で、俺は今日あの女教師の人生を塗り替える。


女教師が住むマンションまで続く薄暗い道。


街灯も少なく、夜は限りなく人通りが少ない。


俺は、行動を起こした。