人間カード






「はあ?」


ショウコはすぐに元の表情を作り直す。


あたしが表示させたのは、化粧品を万引きしている時の写真だ。


あんな見たこともない顔をしたぐらいだから、動揺したのは間違いない。


「その写真で私を脅そうとでも思ったの? 笑えるなあ。担任にでも見せたら? 厄介な事に関わろうとしないから」


確かにそうかもしれない。


あの担任だ。


何か、段々と怒りが引いてきて冷静になってきた気がする。


ショウコは、今、必死にあたしに抵抗してきている。


あたしの武器に対して、どうやって対処しようか。


「そうかもしれないね。でも、これはどう?」


あたしはスマホを操作して、今度は中年の男と駅で落ち合っている時の写真を表示して見せた。



「あれ? これショウコのお父さん?」


ショウコの顔が引きつったのを、あたしは見逃さなかった。


アイブロウで作った眉に皺が寄り、瞳の奥には弱さみたいな光が浮かんだ。


あたしは、さらに別の写真を表示した。



「ショウコって、自分のお父さんとラブホテルに行ったりするんだ!」



「なんだよ! 私の事つけてたの? キモイよ! すごいキモイ! 援交なんてみんなやってるから!」


あたしの口からは相変わらず低い声が出る。




「体、売ってんのはお前だろ?」



あたしは、あの言葉を口にした。