人間カード




窓から校庭を覗いてみると、ショウコが足早に旧校舎に向かってきている姿が見えた。


遠くから離れていてもわかる怒気に満ちた雰囲気。


そんな姿を見て、さらに緊張をしたのは言うまでもない。


でも……ノゾミの言った通り、ショウコは一人でここに向かっていた。


「どうすればいいの!?」


あたしがノゾミの方を向いて訊くと、カンバスに筆を乗せながら答えてくれる。


「私は教室の外に出て、誰か来ないか見張ってるから。ユイはあたしの言った通りに実行すればいいよ」


「それって……プリズン・オンってやつだよね?」


「そういうこと。よし。できた。残りは明日またやろうかな」


ノゾミは筆を置くと、今度は自分のスマホを取り出して何かを確認し始める。


もうすぐショウコがここに来るのに、ノゾミはだいぶ余裕みたいだ。


「よし。今なら大丈夫かな」


「何? 何を確認したの?」


あたしの質問が耳に入っていないのか、ノゾミはただニコリと笑うだけだった。


「大丈夫。きっとユイなら上手くいくから。お礼に有名になったら進藤ユウキくんを紹介してね。じゃあ、私はショウコに見られないように外に出てるね」


ノゾミは、あたしの肩をポンポンと叩いてから「グッド・プリズン!」と意味のわからない言葉を残して、足早に美術室から出ていく。


本当に上手くいくの?


取り残されたあたしは、ますまず不安な気持ちでいっぱいだった。