人間カード




「なんで!?」


確かに、虐められるまでショウコとも仲は良かったし、番号は知っている。


でも、あれから連絡はとっていないし、急に電話したら明らかにおかしいじゃない。


「呼び出すの。ここに。まだ、学校に居るだろうし」


返事をしようとした瞬間、ノゾミはスマホに向かって話しかけ始めた。


「あっもしもし」


あたしは止める術もなく、黙ってノゾミの声に耳を傾けた。


「今から一人で美術室に来てくれない? 私? そんな事どうだっていいじゃない。日頃からむかついてるから、あんたと1対1で話したいの。誰かと一緒に来るなら、臆病者だって言いふらすから覚悟してね」


強気な口調で一方的に言い放つと、ノゾミは電話を切って笑顔でスマホを返してきた。


「大丈夫。きっとショウコは一人でここに来るよ。ああいうタイプは言いふらすとか付け込まれるのに弱いから」


ノゾミはいつも通りの笑顔で言うと、再び筆を構えてカンバスと向き合う。


「まさか、今から人間カードにするの?」


「当然。だって、その為に呼び出したんだから。人間の弱さを見る瞬間は貴重よ」


真剣な目でカンバスを見るノゾミ。


あたしは、急な緊張でお腹が痛くなってきた。