瞬きをすると、自分の視界には元の美術室が映し出された。
いくつかの石の彫刻に、雑に積み重ねられた使用済みのカンバス。
窓の外から夕陽の光りが侵入してきている。
手首を見ると、今の出来事が現実であったと証明するかのように変わった形の腕時計がついていた。
ノゾミは、あたしの前に立ちニコニコと笑っている。
「どう? 初めての人間カードを見た感想は?」
あたしは、息を深く飲んでから答えた。
「一応、聞いておくけどゲームじゃないよね?」
ノゾミは、さっきあたしがしたように黙って頷く。
「人間カードは、人の弱みを握れば閉じ込める事ができる。さっきの男が閉じ込められた理由は援助交際」
「援助交際?」
「その人間にとって弱みになるかならないかが重要だからね」
「さっきの男の人、家に帰してあげなよ?」
あたしの質問にノゾミは首を横に振った。
「ただでは家に帰さないよ。私のリスクが上がるから」
今、話している人物は、本当にいつもあたしが話しているノゾミなんだろか?
