人間カード




俺に辿り着く可能性ってあるのか?


人間カードを作成する瞬間さえ見られなければ大丈夫なはずだ。


例え、俺の自宅に警察が着て取り調べられたとしても、証拠となる物は一切でない。


怖気づくな。


人を路上で殺すわけじゃないんだ。


俺は自分の欲望に任せて行動すればいい。


それよりもカードにした後の事を考えるんだ。


人間カードの一番の旨味はそこにある。


大丈夫。大丈夫。


自分の心に何度もその言葉を言い聞かせた。


カードを押収されたとしても、警察にとっては紙切れでしかない。


電車に揺られている間も、ずっと吐き気が止まらなかった。


揺れ動く車体が俺の心を揺さぶっているかのように、とにかく圧迫されている気がする。


下腹部に感じる重たい何かは、初めて経験するものだった。


気が付けば、俺は女教師が勤める学校の付近に到着していた。