人間カード




「あのさーノゾミ」


校門の少し手前まで来たところで、あたしは立ち止まった。


あたしたちは、人通りの少ない道をあえて通ってきている。


今日はまだ誰にも見られていない。


「あたしと一緒に居るところ見られて、あんたはまずいなあとか、嫌だなあとか思ったりしないの?」


「え? 何で?」


ノゾミは不思議そうな顔をして、純粋な瞳をしている。


「だって、あたしと一緒に居るのを見られたら、また虐められるかもしれないよ?」


その言葉に、ノゾミは一瞬だけ空の方を見てまた視線を戻してきた。


「うーん。そうなったら仕方ないかなー。だって、私だって、ユイだって、悪い事してないじゃん」


「うーん」


あたしもノゾミと同じように唸ってしまった。


そういう問題じゃないんだけど……。


こういう悪意が全くないところがノゾミの良いところだ。


その分、誰かにつけ込まれやすいんだけど。


「まあ、いいわ。でも、これまで通り、学校内ではあたしに話しかけてこないでね」


「うん! それはわかってるよ! あっでも……」


「どうした?」


「今日、授業が終わったら美術室に来てもらってもいい?」


「う、うん。いいけど」


「じゃあ、終わったら美術室に集合で!」


校門を通り抜けると、あたしたちは別々になり校舎に入った。